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俺が思う安易な博士進学の理由
Geekなページ:博士課程に進学する前に考えて欲しい事
   http://www.geekpage.jp/blog/?id=2008/7/31/1

幻影随想: ブログでバイオ 第41回「私が博士課程に進学しなかった理由」

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(2007/10/16)
水月 昭道

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こんだけ博士課程進学の問題点が取りざたされてるのに,

明らかに安易な進学者は多い。

批判したいんじゃなくて(ここ大事!),

そんなんでドクター入ってもいいことないから,やめときゃいいのに,って思う。


そもそも文系は上の事情より,もうちょい悲惨。

就職先として民間の研究機関がほぼ存在しないからね。


俺が思う安易な博士進学の理由

(1)狭い世界で生きているので,一般社会的に正しい判断ができない

大学で会う人間関係は,

既に研究生活にどっぷり使った教員と

同じくモラトリアムで進学してる院生くらいしか普段会わない。

周りも意外にのんびりしてるからお互いに安心。

しかもドクター進学を決める修士の時点では,

大卒で就職した同級生は,新人としてひーひー言って慣れない仕事をしているわけで,

大学に残った自分の方がよい生活を送っている気がしている。

数年後,給料も増え,生活に余裕が出てきた同級生を,

ドクター3年で卒業する見込みもなく,学費稼ぐのにも困ってる自分と

比較するとちょっぴりへこむんだろうな,って思う。

人は社会的比較で現状を認識するわけで。



(2)モラトリアム

働きたくないというちょっと甘えた考え。

かといって研究をしたいわけではないので,当然研究も進まないという悪循環。

ずるずると6年くらいドクターに在籍することになる可能性もある。



(3)いざとなったら結婚

これは女性だけの話。

就職できなくとも,いざとなったら「専業主婦」に逃げれる。

すごい偏見チックだけど,男性の方が研究ガチでやってる

割合が高い気がする。

別に専業主婦を貶めてるわけじゃないです,念のため。



(4)アジア系の留学生

母国に帰れば高学歴として優遇される。

中国人の留学生の同級生が修士出ですぐに大学に就職できるってな話をしてた。

こういうのはなんだけど,「その研究レベルでも?」みたいな感じ。

このへんが日本とは事情が違うから,これは安易な進学というよりも,

日本人博士進学者との意識の違いで,アレ?って感じるところ。


(4)実家が金持ち

大学院は基本的に最低5年以上。

5年間も無職囲って年間60万の学費出せる家庭なんて,

結構金持ちだろうと思う。

親から出してもらってなくとも,いざとなれば親の金があるってのは

金に対する認識を甘くするんでしょう。


もちろん奨学金で全額自分で返す人も大量だろうけど,

モラトリアムで借金作るヤツの気が知れない。

先延ばししてるだけだぞ。

しかも返す頃には,無職だったりする可能性すらある。

つまり,貧乏人は金に敏感なのです(笑)


(5)「やればできる」という思い込みとプライド

元々ドクターに進むようなヤツって高学歴なもんで,

自分がやればできるっていうポジティブ幻想を持ってる。

ぶっちゃけ俺もそうだよなぁ・・・

残念ながら,そんなヤツらだらけの中での競争社会だから,

高校時代偏差値70ありました,とかはアドバンテージじゃなく,

むしろスタートラインに立つ前提条件だったりする。



こんな感じで高学歴ワーキングプアの出来上がり☆


特別研究員取っても,年収240万。

非常勤でプラスされても,300万ってところ。

特別研究員なりそこねたら,無職で借金ばかりが積もっていく。

しかも博士卒業後は,就職できるとも限らない。

一般就職すれば,いわゆる高学歴層なんだし,もっと稼げてるだろうから,

研究が好きじゃないと,博士進学は全く割りに会わないと思うんだけどなぁ。

>就職して一番良かったと思えた点は金銭面の自由度が大幅に広がったことですね。
>大学時代は少ない小遣いを必死でやりくりしていたのですが、今は1万円を越える専門書でも
>平気でポンと買えるようになったし、毎年Amazonに本だけで20万近くつぎ込んでいます。
>今の目標は貯金を貯めて奨学金を一括返済することです。
>順調に行けば来年には何とかなりそうです。
  (生物系修士卒で一般の研究所に就職した人のブログより引用
    http://blackshadow.seesaa.net/article/97414722.html)


ーーーーーーーーーーー

こうやって書いてるけど,俺はどうかといわれると正直答えに窮する。

「研究が好きか?」はイエスだけど,

「働きたくない」っていう甘えた気持ちもないかといわれればウソになる。

研究とか勉強に比べると,一般企業での仕事なんてつまんなさそうでやりたくないってのは本音。


自分に対するポジティブ幻想もないかといわれれば,どうかな?

自分だけは「なんとかなるかも」とか甘い認識もときどき顔を出す。

査読論文も通したことなくて,

周り見てもこんだけD4以上がごろごろ余ってるのにね。

しかも,就職先のパイ自体が非常に限られてるから,

「能力があれば,業績があれば,コネがあれば」

という話以前に運任せのところもでかい。

このへん,甘く見積もってるのは確か。


3年後,「博士なんてやめときゃよかった」と思わずにすむよう,

マジメに研究やるしか,今の俺にはできないんだけどね。



※ちなみに,以上の話は,俺の分野でのM2から見た主観的な話です。


おそらくM2の今しか書けない(同級生がドクター進学を決めたり,やめたりしてる)一方で,

まだまだ博士の就職に関しては事実誤認もあると思います。


研究領域に関しても,文系博士と一緒くたにすることはできない。

臨床心理学バブルはまだ続いてるらしく,臨床心理士持ってるドクターは公募自体が多いし,

教育学なんかも教員採用課程というでかい市場があるから,結構就職がよいらしい。

文学部系統の哲学・歴史学・文学あたりは,俺のところの何倍も就職先がなくて過酷らしい。


その辺りも踏まえつつ,

もしもドクター進学を決めかねてこのブログに来られた方は参考にして下さい。


この記事に対するコメント

Dねぇ・・・。
研究はしたくないけど、大学という学ぶ場は失いたくない、って感じ。
今のまま一人立ちできる力がついてるかというと、微妙なところだもんなぁ。
地元に帰らず、福岡で就職すれば問題ないって話なんだけどね(笑)
【2008/08/01 13:17】 URL | さき #PHl5.jPs [ 編集]


>大学という学ぶ場は失いたくない

この辺が専門職大学院って感じよね。
臨床心理士の専門職で修士入った人がドクター進むか否かの分かれ目って,
実践活動を研究活動しながら大学でやるか,それとも現場にどっぷりつかるか,
ってところだと思う。

普通の文系修士入った人がドクター行くか否かの分かれ目は,
3年後就職できるか可能性が非常に低い大学の研究職を目指すか否か,
以外にありえないからね。

その辺り,臨床の人の話聞いて,全然違うんだなぁって思うところ。

就職時に地元帰るチャンス逃すと,今後結婚とかでますます帰れなくなるよね。
俺はもうドクター進学決めた時点で全く帰る気がないし,就職先があればひとまず東北だろうが行きますよ,って感じやけんアレやけど(笑)。


【2008/08/01 17:32】 URL | @管理人 #- [ 編集]


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